Tether(テザー)の特徴|基本情報、購入方法、将来性とは
Tetherは時価総額が9位で日本の仮想通貨関連のニュースでも取り上げられることが多く、有名なアルトコインの一つです。(2019年3月15日時点)
Tetherは、他の多くのアルトコインとは異なり、法定通貨であるUSDの価格と同じ価値と連動するペッグ通貨という種類のもので、Bitcoin(ビットコイン)をはじめとした他の仮想通貨とは異なり価格が安定しているため、ステーブルコインとも呼ばれます。
この記事ではTetherの基本的な特徴をまとめます。
Tetherの基本情報
通貨名(単位) | Tether(USDT) |
公開日 | 2014年10月6日 |
発行上限 | なし(保有する法定通貨と同額) |
規格 | OminiLayer, ERC20 |
Tetherの単位はUSDT(ユーエスディーティー)です。
USDに価格がペッグ(連動)されていて、発行元がTether limited社なのでUSD(ユーエスドル)にTが付いているUSDTとなっています。
Tetherは名前の通り米ドルと連動しており、1USDT=1USDで取引できます。
発行上限は特に決まっていませんが、Tetherの発行枚数は発行元のTether limited社が保有しているUSDをはじめとする法定通貨と同じ額までになっています。
このように発行上限を制限することで法定通貨がTetherの担保になりいつでも1USDTを1USDに変えられるという価格の保証を行なっています。
規格はBitcoinのブロックチェーン上を使用したOminiLayer規格のトークンのものとEtereum(イーサリアム)のブロックチェーンを使用したERC20規格のトークンの二種類が存在します。
Tetherの購入
Tetherは時価総額も高く、ステーブルコインという価格の安定性が高いアルトコインですが、現在は金融庁に認可された国内取引所から購入することができません。(2019年3月時点)
購入する場合は以下のような手順を踏む必要があります。
国内の取引所で基軸通貨となるBTCやETHを購入をしたのち、Binance(バイナンス)など、Tetherを購入可能な海外取取引所に送金したのちに、基軸通貨からTetherを購入することができます。
価格の安定したステーブルコインということで多くの海外取引所で取り扱われ、基軸通貨としてもよく使用されているアルトコインです。
Tetherの特徴
Tetherの特徴として次のようなものが挙げられます。
- 法定通貨と仮想通貨の性質
Tetherは前述の通り、USDに価格が連動するステーブルコインなので仮想通貨とは異なり短時間で大きく価値が変動しません。
例えば決済や送金で注目されているBitcoinをはじめとする仮想通貨ですが、国際送金を行なっている最中にBitcoinの価格が大暴落するなどしたら本来の用途を成し得なくなります。
現在、物の売買は基本的に法定通貨で行われる以上、送金決済のタイミングで大きく価値が変動するのは好ましくありません。そういった面で法定通貨としての性質をもつことは利点になります。
また仮想通貨の特徴である国際送金の時の少額な手数料や高速な送金が可能という性質ももつので、Tetherは法定通貨と仮想通貨の両方のメリットをもつと言えます。
- Proof of Reserves(プルーフ オブ リザーブ)
新規のTetherの発行は運営母体であるTether Limited社が行なっており、ユーザがTether Limited社の保有に法定通貨を入金すると、同額のTetherが新規に発行されます。
逆にユーザがTether Limited社にTetherを入金するとTetherは消滅します。こうすることで、Tether Limited社に入金された法定通貨は発行されたテザーと常に同額となるように維持されます。
こうした新規発行と消失のプロセスはPoR(Proof of Reserves)と呼ばれておりTetherの特徴の一つとなります。
- 中央集権的な性質
TetherはTether limited社という会社が発行や運用を行なっているので、中央集権的なアルトコインで、特定の機関が発行できるという点も法定通貨と類似していると言えます。
価値の変動が少ないステーブルコインではありますが、その価値はTether Limited社が保有している法定通貨の担保と信頼によるものなので、Tether Limited社に何かがあった際、価値が一気なくなるといった危険性も有しています。
実際に「Tether疑惑」というTetherの価値の担保となる法定通貨を、Tether Limited社が保有していないのに、Tetherを好き勝手に発行し続けているのではないか、という疑惑がありしばしば仮想通貨関連のニュースでも取りざたされている内容です。
これらの特徴のようにTetherは中央集権的な性質を持ちますが、USDの価格とペッグしているので各取引所に基軸通貨としても必要な存在であることがわかります。
ステーブルコインの役割
昨今のボラティリティといった価格変動が大きい仮想通貨では送金、決済手段としてまともに機能しないという課題があり、その解決のためにTetherのようなステーブルコインは存在します。法定通貨の価値の安定性とブロックチェーン技術による高速な送金、決済を可能にし、それぞれのメリットを活かしたステーブルコインは、実生活の送金、決済手段として注目されています。
またTetherのような、法定通貨にペッグしている通貨はまだまだ不安定な仮想通貨市場で仮想通貨の価値が全体的に下落している時の避難先としてもよく利用され、資産の価値の保護としての役割を持ちます。
Tetherの将来性とは
現在は次々と各国の法定通貨にペッグしているコインが出ており、日本ではGMO Japanese Yen(GJY)という日本円にペッグしたコインをGMO株式会社が発行しようとしているなど世界的にステーブルコインに注目が集まっています。
ステーブルコインの需要の高まりと台頭に合わせてTetherの重要性も高まっていくことが予測できます。
TetherはTether limited社の「Tether疑惑」があり、中央集権的なアルトコインではありますが、多くの取引所で実際にしようされていることもまた事実です。
Tether limited社の動向と合わせて今後のTetherに注目です。