Cosmos(コスモス|ATOM)の特徴|基本情報、購入方法、将来性とは
Cosmosは、他の異なるトークンを移動・交換できるネットワークを作るプロジェクトとなっており、ビジョンには「interner of blockchain(ブロックチェーンのインターネット)」を掲げています。
また、これまでのスケーラビリティ問題を解決するために、スイスのInterchain Foundation(インターチェーン財団)からサポートを受け開発されました。
この記事では、Cosmosの基本的な特徴をまとめます。
Cosmosの基本情報
通貨名(単位) | Cosmos(ATOM) |
発行日 | 2017年4月6日 |
総発行枚数 | 239,063,332 ATOM(2019年5月26日時点) |
コンセンサスアルゴリズ | PoS(Proof-of-Stake) |
Cosmosの単位は、ATOM(アトム)です。
公開日は2017年4月6日で、総発行枚数は239,063,332 ATOMとなっています。(2019年5月26日時点)
コンセンサスアルゴリズには、電力削減による環境に配慮されたProof-of-Stake(プルーフ・オブ・ステーク)が採用されています。
さらにP2P(分散型ネットワーク)で問題となる「ビザンチン将軍問題」が発生した場合でも正しく動作する「BFT(Byzantine Fault Tolerance)」と呼ばれるシステムも取り入れられています。
「ビザンチン将軍問題」とは、P2Pにおいてノードの故障や悪意のある参加者がある場合、全体として正しい合意を形成できるかどうかを問う問題のことをいいます。
また、2019年3月14日にはメインネットがローンチされ、実際のトークン移動が解禁となりました。
Cosmosの購入
現在Cosmosは、金融庁に認可された日本国内の仮想通貨取引所には上場していませんので、購入することができません。(2019年5月26日時点)
ただし、海外仮想通貨取引所の「Binance(バイナンス)」や「OKEx(オーケーイーエックス)」などであれば、基軸通貨である「BTC(ビットコイン)」、「ETH(イーサリアム)」を送金することで購入可能です。
Cosmosの特徴
Cosmosの主な特徴としましては、次のようなものが挙げられます。
- Tendermint(テンダーミント)
Tendermint(テンダーミント)とは、COSMOSの基盤となっているソフトウェアのことをいいます。
このTendermintを採用することで、アプリケーション独自のブロックチェーンが作成可能となっており、他の有名プロジェクトでも採用を検討されているようです。
あの大手仮想通貨取引所の「Binance」が手掛けるBinance Chain(バイナンスチェーン)もTendermintを採用しており、後述する「cosmosSDK」と呼ばれる開発キットによってブロックチェーンを作成することを発表しています。
そんなCosmosネットワークでのブロックチェーンは全てTendermintが基盤となっており、それぞれに相互運用性を持たせることを可能にし、既存のブロックチェーンにも移植することも可能です。
さらに「Cosmosの基本情報」でもお伝えした「BFT」も、このTendermintの仕組みの一部となっています。 - Cosmos Hub・Cosmos zone
Cosmosネットワークには、「Cosmos Hub」と「Cosmos zone」と呼ばれる2種類のブロックチェーンが存在しています。
「Cosmos Hub」はクロスチェーンプロトコルを実装することで、個々の独立したブロックチェーン「Cosmos zone」を中継する役割を担っており、複数のトークンを管理することができます。
つまり、「Cosmos Hub」が中心となって、複数あるブロックチェーン「Cosmos zone」同士をつなぐということです。
そうすることで、他の異なるトークンを移動・交換できる仕組みとなっています。
例えば、これまでは「bitcoin(ビットコイン)」を「Ethereum (イーサリアム)」に移動・交換するには仮想通貨取引所を介さなければなりませんでしたが、「Cosmos Hub」を利用して異なるブロックチェーンをつなげることで、仮想通貨取引所を介さずに移動・交換させることができるようになったのです。
ちなみにHubは「Cosmos Hub」以外にも開発することが可能で、それぞれのHubに属するzoneを持つことになります。
もちろんこれらのHub同士は通信を行うこともできるので、異なるHubに属するzone同士でも移動・交換が可能となるでしょう。 - Photon
Photonとは、Cosmosネットワーク内で使用されるもう一つのネイティブトークンとなっており、主にトランザクション手数料として使用されています。
Cosmosネットワークの設計当初は、ATOMというネイティブトークン1種類だけが考えられていましたが、セキュリティ面の観点からPhotonといったネイティブトークンを追加することになりました。
このPhotonをトランザクション手数料に使用することによって、ATOMの流動性を抑えて外部からの攻撃を受けにくくすることで、より高い安全性を確保することができるのです。 - cosmosSDK
cosmosSDKとは、cosmosネットワークのソフトウェア開発キットのことをいい、前述の「Cosmos Hub」のようなブロックチェーンを作成するためのフレームワークとなります。
もちろん「Cosmos Hub」も、このcosmosSDKによって作成されました。
cosmosSDKの目的としましては、様々なブロックチェーン開発者がアプリケーションの機能を1からコーディングすることなく、アプリケーション固有のブロックチェーンを簡単に作成できるようにすることです。
また、cosmosSDKで開発されたブロックチェーンは、それぞれがHubを通してつなぐことができる仕組みになっています。
他の競合ブロックチェーンと比較
Cosmosは、他の異なるトークンを移動・交換できるネットワークを作るプロジェクトということがお判りいただけたと思いますが、ここでは同じくクロスチェーンプロトコルの「Polkadot(ポルカドット)」と何が違うのか具体的に比較していきます。
まず「Polkadot」では、「Ethereum」のコア開発を行ったGavin Wood氏によって開発され、異なるブロックチェーンの資産や情報(メッセージ、アイデンティティなど)を「Polkadot」リレーチェーンを介することで交換できるブロックチェーンのインターネットを開発しました。
一方「Cosmos」では、今回ご紹介した通り異なるブロックチェーンに「Cosmos Hub」を介することで、異なるトークンを移動・交換できる仕組みとなっていました。
このように「Polkadot」では資産+情報が交換できるのに対し、「Cosmos」では資産の交換をどれだけ安全に行うかどうかに重きを置いて開発されているのです。
また、この他にもスケーラビリティやインターオペラビリティ、セキュリティなど様々な技術面においても多くの違いがありますが、最終的に異なるブロックチェーンをつなぐということには変わりはありません。
しかし、「Cosmos」のスケーラビリティ問題に対するソリューションは大変期待できるものとなっていますので、これからのブロックチェーン技術の発展には欠かせないプロジェクトとなることでしょう。
Cosmosの将来性とは
Cosmosは、スケーラビリティ問題や相互運用性を解決することへの期待が持てる大変素晴らしいプロジェクトです。
さらにブロックチェーンのインターネットとして既に80以上のプロジェクトがCosmos採用を検討しているようです。
また、大手仮想通貨取引所「Binance」や「Poloniex(ポロ二エックス)」にも上場し、メインネットもローンチしたばかりなので、今後のCosmosからは目が離せません。