Ethereum(イーサリアム)大型アップデートまとめ

Ethereum(イーサリアム)大型アップデートまとめ

「EGGRYPTO」(エグリプト)という日本発のイーサリアム上で動くブロックチェーンゲームのリリース情報が公開されました。

今回はブロックチェーンゲームをはじめとするDapps(Decentralized Applications) のプラットフォームとしても使用され、有名なアルトコインのひとつであるイーサリアムの大型アップデートについてまとめたいと思います。

イーサリアムの特徴について

イーサリアムの大型アップデートを理解する上で、重要な特徴がハードフォークとコンセンサスアルゴリズムになります。

イーサリアムのハードフォークについて

まずハードフォークについてですが、ハードフォークを行うと既存のブロックチェーンとの互換性が無くなります。しかし互換性を無くしてでもこれまでの課題を解決し性能を大きくアップグレードしたい場合に行うものとなります。

次にイーサリアムのハードフォークについてになりますが、イーサリアムのハードフォークにはロードマップが存在し、開発フェーズごとに名前を分けており、以下の4つになります。

  1. Frontier(フロンティア)
  2. Homestead(ホームステッド)
  3. Metropolis(メトロポリス)
  4. Serenity(セレニティ)

セレニティまでの四段階のハードフォークが全て完了した時に大型アップデートが完了し、イーサリアム2.0がローンチとなります。

そして大きな変更としてコンセンサスアルゴリズムが現在のプルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行することと、処理の遅延や手数料が高くなるといった課題を改善するためのシャーディングという技術によるスケーラビリティ向上が挙げられます。

イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムについて

イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムがPoWからPoSへの移行することについてですが、何が変わるのでしょうか。

まず、PoWの課題として51%攻撃という悪意あるマイナーによるデータ改ざんが存在し、しばしばニュースでも取り上げられますが、PoSはその通貨の保有量によって検証作業を行うので、51%攻撃を行うには悪意ある攻撃者自体が大量に通貨を保有した上で51%攻撃を行う必要があります。つまり、攻撃を行なった瞬間その通貨の信用性が下がり、攻撃者自身が大量に保有している資産価値を減らすことになるので攻撃する動機がなくなり51%攻撃に耐性をもつということになります。

またPoWは大規模な計算によって検証できる人の選択を行いますが、PoSは保有している量によって検証できる人の選択を行います。つまりPoSはPoWと比較して膨大な計算を行わないので、電力消費がほとんど無くなるのです。メディアでもよく取り上げられるマイニングによって電力を大量に消費してしまい、環境破壊につながるといった課題も改善されます。

もちろんPoS自体に課題が全くないわけではありませんが、PoWからPoSへの移行は今の問題を改善するために意義のあることがわかります。

ちなみにPoS移行後はイーサリアムを32枚以上持っているとブロックチェーンの検証作業に参加できるようになり報酬配当がもらえるようになります。

イーサリアムの将来性

今回はイーサリアムの大型アップデートについてまとめました。
これまでに触れた内容で大型アップデート完了後には

  1. 処理の遅延が起きにくくなる
  2. 手数料が高くなりにくくなる
  3. 電力消費がほとんどなくなる
  4. 悪意ある攻撃への耐性をもつ
  5. イーサリアムを32枚以上保有によって報酬配当が受け取れるようになる

といった特徴が将来的に追加されると思います。

今後もアップデートに伴いイーサリアムの価格変動が起きることは容易に想像できますが、時価総額とは関係なく、現在のブロックチェーン技術やイーサリアム自体の課題に向き合い、着実にイーサリアムは開発を進めて改善を行なっていることがわかります。

面白そうなブロックチェーンゲームのリリースにも、もちろん注目していきたいところですが、イーサリアムの大型アップデートが完了した時に次世代インターネットやプラットフォームとして機能するかも注目していきたいところですね。